「大田区民でないと私に投票できませんが」
立憲民主党・大田区議会議員のひらの春望氏が、SNS(X)上でこう発信し、炎上しました。
一見すれば、選挙区制度を説明しているだけにも見えます。
しかし、文脈や言葉遣いからは、
「投票できない人間には用はない」
「票になる区民だけを相手にしている」
という有権者を見下すような感覚、そして選民意識がにじみ出ていました。
なぜ、こうした態度が政治家の間で自然に出てしまうのか?
この記事では、地方政治における「票と利益」の構造問題まで踏み込み、批判的に読み解きます。
■今回の問題発言の本質は何か?
問題は単なる「説明不足」ではありません。
本質的には、次の2点に集約されます:
票にならない人=無関心・無視できる対象とする態度
「選挙民=顧客」化し、広い公共性を放棄する発想
つまり、政治家が「票を持っている人間だけが自分の顧客だ」と無意識に捉えている構造が、この発言から透けて見えるのです。
■なぜこうした感覚が許容されるのか?──政治家と有権者の“距離感”の歪み
地方政治では、次のような状況が普通にあります。
選挙区が狭い=票の数が限られている
当落ラインは紙一重=わずか数百票で命運が分かれる
だから「支持者最優先」が合理的な戦略になる
結果として、政治家にとっては
支持者 > 区民全体 > 全国民
という優先順位の逆転現象が起きやすくなるのです。
さらに、地方議員レベルでは、
地域の町内会、業界団体、地元NPOなど
直接票を動かせる「組織票」が支配的
という背景もあり、「票にならない人には時間もリソースも割かない」という選挙合理主義がはびこります。
■地方政治の“票と利益”の構造問題
地方政治では、しばしば**「票」と「利益(便宜)」が結びついています。
票を集めるために | 提供される利益 |
---|---|
地元自治会への顔出し | 補助金やイベント後援 |
商店街支援 | 街路整備や補助金獲得 |
業界団体への便宜 | 許認可・税制優遇 |
この構図では、当然ながら**「票を持たない人」=「支援対象外」**になりがちです。
生活支援策でも対象が「特定の支援団体」に偏る
地域活性化策でも「特定業界だけが潤う」
区民全体への目配りより「囲い込み」優先
こうした小さな利益誘導政治が、構造的に蔓延しています。
■問題は個人だけではない──制度が生む「顧客政治」
ひらの氏個人の資質にも問題はあります。
しかしもっと根本的には、制度そのものが「顧客政治」を助長しているという現実を無視できません。
小選挙区制的な狭い選挙区
過剰な票読み・組織票重視
議員定数の削減圧力による“生存競争化”
こうした環境の中で、政治家は
「票にならない相手に配慮する余裕などない」
「支持者だけ見ていればいい」
という発想に追い込まれていくのです。
それが、今回のような無神経な発言を自然に生む土壌になっています。
✅ 結論:政治家の「選民意識」は、構造的な問題でもある
観点 | 内容 |
---|---|
発言の問題点 | 有権者を選別し、公共性を放棄している態度 |
なぜ起こるか | 地方選挙の狭さ・組織票依存・票読み主義が蔓延しているため |
本当の課題 | 個人批判ではなく、制度と文化を変える必要がある |
「支持者だけを相手にする政治」から、「すべての住民に責任を持つ政治」へ。
そうした転換なくして、地方政治はますます腐敗し、
本当に必要な改革や支援は見過ごされ続けるでしょう。
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