2025年、日本政府は今年も「年金支給額を引き上げる」と発表しました。
ニュースでは「〇%増額」と、景気のいい言葉が踊ります。
けれども、現実は違う。
物価高に全く追いつかない“増額”では、実質的には減額と同じなのです。
それでも、多くの人が怒らない、声を上げない。
なぜなのか?
この記事では、**生活者目線で「年金の実質減少の正体」と「怒りが広がらない理由」**をわかりやすく掘り下げます。
■年金支給額「増額」のカラクリとは?
まず前提として、年金額は毎年、次のように調整されています。
【物価】や【賃金】の変動に応じて見直し(いわゆる「マクロ経済スライド」)
ただし、「抑制措置」が組み込まれている(=簡単には上がらない)
つまり、基本的には物価上昇に合わせるが、年金財政を守るため、伸び率はカットされるのが仕組みです。
今年も発表された「増額」は、
表面的には+1.9%などと示される
しかし同時に、物価は前年比+3%以上上昇
結果、実質的な購買力はマイナス
という「名ばかり増額、実態減額」になっているのです。
■なぜこれが「減額」と同じなのか?
年金生活者にとって重要なのは、
「年金の額そのもの」ではなく、
**「年金でどれだけの生活ができるか」**です。
たとえば:
年金支給額 | 物価指数 | 生活できる実質価値 |
---|---|---|
2024年:20万円 | 100 | 20万円相当 |
2025年:20万3800円(+1.9%) | 103(+3%) | 実質19万8000円 |
こんなふうに、名目額が増えていても、
実質的な生活レベルは低下しているのが現実です。
■なぜ誰も怒らないのか?──「分かりにくさ」と「諦め」
ここが最大のポイントです。
怒りが広がらない理由は主に3つあります。
① 表現のマジックに惑わされる
政府やメディアは「年金増額!」というポジティブな表現を使います。
普通にニュースを聞いているだけでは、
増えたんだ、よかった
きっと生活も楽になるだろう
と誤認させられてしまう。
マクロ経済スライドや物価スライド調整率など、
制度の細かい仕組みを読み解ける人はほとんどいません。
② 生活者自身に“声を上げる余力”がない
年金生活者は、
毎月のやりくりに追われ
介護・医療費の増大にも悩み
目の前の生活を回すだけで精一杯
という状況に置かれています。
「怒る」ためには、
エネルギーも時間も情報も必要ですが、
そもそもそんな余裕がない。
③ 「どうせ変わらない」というあきらめ
年金制度は、あまりにも巨大で複雑です。
「怒ったところで、何が変わるんだろう」
「どうせ政府が勝手に決めるんでしょ」
そうした無力感・諦め感が、
怒りの芽を摘んでしまっています。
■なぜこの問題は放置できないのか?
このまま「名ばかり増額・実質減額」が続けば、
高齢者の生活困窮層が急増する
医療・介護の自己負担増がさらにのしかかる
経済全体も消費縮小で疲弊する
という深刻な負の連鎖を引き起こします。
つまり、年金受給者だけの問題ではなく、
社会全体にダメージが跳ね返ってくるのです。
✅ まとめ:生活者の目線で、“実質”を見るべきだ
観点 | 現実 |
---|---|
表向きの発表 | 年金支給額は「増額」とされる |
実質的な影響 | 物価高に追いつかず、実質生活レベルは「減少」 |
怒りが広がらない理由 | 分かりにくさ、生活の苦しさ、無力感 |
社会全体への影響 | 高齢者困窮→消費縮小→経済縮小という負のスパイラル |
本当に問うべきなのは、
「数字が増えたかどうか」ではなく、
**「生活は良くなったか?」**という一点に尽きます。
名目ではなく、実質を見る。
個別ではなく、全体を見る。
それが、今の社会に必要な視点です。
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