「株を無料でもらえる」──そんな夢のような宣伝で注目を集めたカブアンド(カブ&ピース社)。
しかし、2025年4月、現実は冷酷に突きつけられました。
初期株価は見込みの5円→3円に下方修正
第1期決算では約18億円の純損失を計上
広告宣伝費は売上高の**約69%**を占める過剰投資
「みんなでつくる会社」をうたったこのビジネスモデルの裏には、
生活者が冷静に見抜くべきリスクと限界が潜んでいます。
本記事では、カブアンドの現状をもとに、
生活者目線で知っておくべき4つのリスクポイントをわかりやすく整理します。
■(1)無料配布型株式ビジネスの幻想
カブアンドの最大の売りは「株を無料で配る」という仕組みでした。
しかし、ここには大きな誤解があります。
株を無料でもらっても、市場で自由に売れるわけではない
非上場株なので換金性が極端に低い
会社の業績次第では、株価がゼロ同然になるリスクもある
「無料だから得」という直感的な期待に反して、
実際には「価値が保証されないリスク資産」を無償で手渡されただけ、
という側面が強いのです。
今回の**株価下落(5円→3円)**は、その幻想をはっきりと打ち砕きました。
■(2)未成熟なインフラサービスによる不安定さ
カブアンドは、独自の株管理・取引プラットフォームを開発・運営しています。
しかし、まだインフラとして成熟しきっていない実態が明らかになっています。
サービス案内体制に不備が発生
システム開発の遅れが発生
2025年1月にはサービス受付を一時停止
金融サービスには何よりも「安定」と「信頼」が求められます。
にもかかわらず、未完成のまま走り出したことで、
生活者側に予期せぬ不安定リスクが転嫁されているのです。
■(3)広告宣伝に巨額投資することによる経営リスク
第1期決算では、売上高13.2億円に対して、販管費が約29.7億円。
そのうち約9.16億円が広告宣伝費でした。
売上の約69%を広告費が占める異常な構造
「みんなで作る会社」イメージ作りに偏重
実態以上の期待感を煽ったことで、現実との乖離が拡大
短期的な知名度拡大を狙った大量CM展開は、
赤字体質のまま資金を消耗する危険な経営戦略ともいえます。
本来は、
「サービスの信頼性」→「顧客基盤形成」→「知名度拡大」
という順序で成長すべきところ、
カブアンドは「イメージ先行で市場を広げ、実態が追いつかない」という、
典型的なバブル型展開に陥っています。
■(4)情報格差を利用した自己責任ビジネスの危うさ
カブアンドの仕組みは、
「無料でもらった以上、損しても自己責任」というロジックで成り立っています。
しかし、ここには重大な問題があります。
株式市場や非上場株のリスクを十分に理解できる人は限られる
専門知識がない生活者に対して、リスク説明が十分だったか疑問
「無料=無害」と直感させるマーケティング設計だった
結果的に、情報格差を背景に、生活者側だけがリスクを負う構造になっていたのです。
これを「自己責任」として片付けるのは、あまりに不誠実です。
✅ まとめ:夢の裏に潜むリスクを冷静に見抜け
観点 | 現実 |
---|---|
無料配布株の幻想 | 価値保証は一切なく、リスクだけが無償配布されている |
インフラサービスの未成熟 | 安定運営が二の次になり、利用者リスクが増大 |
広告偏重経営 | 実態以上の期待を煽り、赤字と失望を拡大 |
情報格差の悪用 | 生活者側に不利なリスク設計。自己責任論で切り捨てられる構造 |
「タダほど高いものはない」という格言は、
カブアンドの事例でも改めて証明されました。
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