はじめに:なぜ今、選択的夫婦別姓制度が注目されているのか
結婚後も「姓を変えたくない」という声が、特に若い世代や働く女性を中心に高まっています。
2025年4月には、立憲民主党が民法改正案を国会に提出し、国民民主党も独自法案の準備を進めるなど、法制化の動きが本格化しています。
しかし、制度に対しては依然として賛否が分かれ、保守層からの反発も根強いのが現状です。
本記事では、各政党の立場や国民の意見をふまえながら、「選択的夫婦別姓制度」のメリット・デメリットを丁寧に解説します。
各政党の最新スタンス(2025年5月時点)
賛成・法案提出を進める政党
立憲民主党:2025年4月、導入法案を国会提出済み
国民民主党:2025年4月末、独自法案提出の方針を決定
日本共産党・れいわ新選組・社民党:制度導入に一貫して賛成
前向きに検討する政党
公明党:党内で勉強会を開催し、制度導入に前向き
慎重姿勢・代替案を提示する政党
日本維新の会:選択的夫婦別姓には慎重で、旧姓使用の法制化を模索中
党内で賛否が割れる政党
自由民主党(自民党):党内に強い反対派が存在し、導入には消極的
→ 石破首相は議論の必要性を強調しているが、党の結論は見えていない
国民の意見と支持動向
近年の世論調査では、国民の6〜7割が選択的夫婦別姓に賛成しています。特に20〜40代の女性層で支持が高く、社会の価値観の変化が背景にあります。
一方で、「家族の一体感が失われる」「子どもの姓をどうするか」といった保守的な懸念の声も根強く、高齢層を中心に反対意見が一定数存在します。
選択的夫婦別姓制度のメリット
✅ 1. 氏名変更による不利益の解消
結婚後の名義変更は、銀行口座・免許証・保険・パスポートなど多岐にわたります。
この手続きの煩雑さと心理的ストレスから解放され、仕事や日常生活に影響を与えません。
✅ 2. 女性のキャリア維持に有利
職場での実績や研究論文、著書など、旧姓がプロフェッショナルな「ブランド」となっている場合、改姓により信用や実績の連続性が損なわれるリスクがあります。
✅ 3. 国際的な制度との整合性
OECD加盟国の多くでは「夫婦別姓」が当たり前の制度となっており、日本の一律同姓強制は国際的に特殊です。国際結婚の不都合解消にもつながります。
選択的夫婦別姓制度のデメリット・懸念点
⚠️ 1. 家族の一体感が損なわれる?
姓が異なることで「家族としての絆が弱くなるのでは」との心理的懸念があります。
特に「子どもがどちらの姓を名乗るのか」という問題が焦点になります。
⚠️ 2. 制度を巡る手続きや社会対応が複雑になる懸念
実務上、戸籍や行政システムの対応が必要になるため、初期段階では混乱が生じる可能性もあります。
⚠️ 3. 周囲の無理解・職場や親族からの圧力
制度が選択可能になっても、実際には「別姓にしたら非常識だと思われるのでは?」といった同調圧力が働き、自由な選択が困難になるケースも。
なぜ「選択的」であることが重要なのか?
選択的夫婦別姓制度は、すべての夫婦に別姓を義務づけるものではありません。
「同姓にしたい人はそのまま同姓、別姓にしたい人は別姓を選べる」という、自由な選択の幅を認める制度です。
つまり、「家族観を守りたい人の選択肢」も損なうことなく、制度としての柔軟性があることが最大のポイントです。
まとめ:制度は「押しつけ」ではなく「自由の選択」
選択的夫婦別姓制度をめぐる議論は、「家族」「伝統」「多様性」という日本社会の価値観の衝突でもあります。
制度導入の是非だけでなく、どうすれば互いの価値観を尊重できる制度設計になるかが今後の焦点となるでしょう。
各党の立場も変化しつつある今、制度化に向けた動きが加速する可能性が高まっています。
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