投資家心理をひと目で把握するための重要指標
Fear & Greed Indexは、投資家心理を「恐怖(Fear)」と「欲望(Greed)」の2軸で数値化した指標で、主に米国株市場のセンチメント(市場心理)を視覚的に把握するために使われます。CNNが提供しているバージョンが最も有名です。
数値の意味(0~100)
市場センチメントを0~100のスコアで直感的に示す
この指数は0から100の数値で表現され、その値が高いほど市場が楽観的(欲望が強い)、低いほど市場が悲観的(恐怖が強い)であることを示します。投資家が冷静さを欠いて過剰に反応している局面を把握する手がかりとなり、逆張り戦略の判断材料にも使われます。
数値 | 心理状態 | 解釈 |
---|---|---|
0~24 | Extreme Fear(極度の恐怖) | 投資家が非常に慎重。底値圏の可能性あり |
25~49 | Fear(恐怖) | 弱気が広がる局面 |
50 | Neutral(中立) | 明確な方向性が見えない状態 |
51~74 | Greed(欲望) | 強気傾向が強まり、楽観が広がる |
75~100 | Extreme Greed(極度の欲望) | 市場過熱の兆候。反落への警戒が必要 |
構成要素(CNN版の場合)
センチメントの背景を支える7つの市場指標
Fear & Greed Indexは、以下の7つの市場データから構成され、それぞれが市場心理の異なる側面を反映しています。
- 株価のモメンタム:
- S&P500の現在の価格と、125日移動平均との比較。
- 株価が移動平均を大きく上回っていれば、強気(Greed)と判断。
- 逆に下回っていれば、弱気(Fear)を示唆。
- 株価の強さ:
- 年初来高値をつけている銘柄と、安値をつけている銘柄の比率を分析。
- 高値銘柄が多いほど強気、安値銘柄が多いと弱気。
- 株価の幅広さ(Breadth):
- 上昇している銘柄の割合。
- 多くの銘柄が上がっていれば市場全体の健全な強気ムードを示す。
- 少数銘柄だけが牽引している場合、実態以上に強気に見える可能性。
- プット・コール比率:
- オプション市場でのプット(売り)とコール(買い)の取引量の比率。
- プットが多ければ恐怖、コールが多ければ欲望が強いとされる。
- ジャンク債スプレッド:
- ジャンク債と米国国債との利回り差。
- スプレッドが狭いほどリスクを取る姿勢=強気、広いほど慎重=弱気。
- VIX(恐怖指数):
- S&P500の予想ボラティリティを示す指標。
- VIXが高いほど市場の不安が強く、恐怖状態と判断される。
- 安全資産需要:
- 株式と米国債の資金流入の比較。
- 株式に資金が集まればリスク選好(Greed)、国債に流れればリスク回避(Fear)。
これらの指標を統合し、0~100のスコアで算出されます。
最新値の確認方法
CNN公式サイトでリアルタイムにチェック可能
Fear & Greed Indexの最新値は、CNNの以下の公式ページで確認できます:
ページでは、
- 現在値
- 1日前、1週間前、1か月前、1年前との比較 なども確認できます。
投資への活用方法
逆張り判断やセンチメント分析に活用
1. 逆張り戦略の参考に
- 極度の恐怖(Extreme Fear)では相場が悲観されすぎており、反発余地があると考えられる
- 極度の欲望(Extreme Greed)では過熱状態が示唆され、調整の可能性を警戒する
2. 市場全体のムードを把握
- 一般的なトレンドの確認や投資判断の補助材料として活用可能
※ただし、売買判断は単独で行わず、他の指標やファンダメンタルズ分析と併用することが前提です。
日本株への応用方法
米国主導の心理を日本市場にどう活かすか
Fear & Greed Indexは米国市場の指標ですが、日本市場にも一定の影響を与えるため、以下のような活用が考えられます:
- 米国株主導で動く相場環境では、日本株もセンチメントに連動しやすい(特にグロース株)
- 日経平均やTOPIXのモメンタムと合わせて、投資家心理の総合判断に活用できる
- 日本独自の指標(投資主体別売買動向、騰落レシオなど)との併用で、より精緻な判断も可能
まとめ
Fear & Greed Indexは、投資家心理を可視化し、市場の過熱感や過剰な悲観を把握するのに有効な指標です。単なる感情論ではなく、7つの市場データに基づく定量的な分析結果で構成されている点が特徴です。
この指標を日々チェックすることで、マーケットのセンチメントに応じた冷静な判断が可能になります。
特に日本株投資家にとっても、米国市場の心理を先読みする手段として有効であり、逆張りや押し目買いのタイミング判断に活用できます。
感情に流されず、市場全体の「空気」を掴むためのツールとして、Fear & Greed Indexは非常に有用な存在といえるでしょう。
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