リード文
「我が国は、かつてのギリシャより財政が悪い」――こう述べたのは、ほかならぬ石破茂・現総理大臣。 その発言からわずか数週間後、自民党内では“選挙前の現金給付案”が浮上。しかも石破総理自身も「赤字国債は使わない」前提で、税収の上振れによる給付に含みを持たせています。 財政破綻を警戒しながら、選挙前にはばらまきを容認する。これを矛盾と言わずして何と言うのか――。
矛盾の3点セット
1|「ギリシャより悪い」発言の重さ
- 石破総理は2025年5月、参院予算委員会で「日本の財政はギリシャより悪い」と明言。
- 根拠は政府債務残高のGDP比。日本は約260%、ギリシャの金融危機時(約140%)より大幅に上回る。
- その一方で「だから財政規律を守らねばならない」と国民に負担を求めていた。
👉 “国民に耐えてもらうための正当化”として財政危機を語った。
2|「選挙前の現金給付」への態度急変
- 6月、自民党内から「国民一律2万円+低所得者に追加給付」の案が浮上。
- 石破総理は「赤字国債ではない」として、税収の上振れを財源にするなら否定しない姿勢。
- だが、その上振れ財源も物価・社会保障対応に必要なもので、決して余剰金ではない。
👉 “財政危機”を語った張本人が、選挙が近づくと「給付」に前向きになる矛盾。
3|「赤字国債ではないからOK」は詭弁
- 財源が赤字国債であろうとなかろうと、選挙直前の現金配布は典型的なばらまき政治。
- 石破総理が批判してきた“目先の支持率狙いの政治”そのもの。
- 本気で財政を懸念するならば、構造改革や支出見直しに踏み出すべきだった。
👉 結局「票を得るためなら手段を選ばない」旧態依然の政権体質に戻ってしまったのでは?
追加証拠|過去の石破氏は「バラまき批判」を明言していた
過去の映像(YouTube:「石破茂【14年後の僕へ】政府のバラまき政策を批判www」)では、石破氏本人が明確にこう発言していた:
「選挙前に現金を配る?それって…バラまきじゃないですか!」 「そんなことやったら、国民の信頼なんて得られないでしょう?」
この映像は約14年前のもので、まさに今の「税収上振れによる現金給付案」と真逆の姿勢を見せていた。
👉 過去は「バラまき=信頼を失う政治」と否定、今は「条件付きで容認」。
👉 “14年後の自分”がその言葉を裏切ってしまった。これが最大の皮肉である。
結語
石破総理が「ギリシャより悪い」と本気で危機感を持っているならば、選挙前に迎合的な現金給付に手を染めるのではなく、むしろ構造改革や社会保障の持続可能性に真正面から取り組むべきだったはずです。
「財政は悪い、でも票のためなら給付はする」 ――この矛盾が、国民の政治不信をさらに深めていくのではないでしょうか。