教員による不祥事、とくに性犯罪が報道されると、社会は強く反応します。教職は子どもと日常的に接する職業であり、社会的信頼が重視される立場だからこそ、ひとたび不祥事が起きると大きな批判にさらされます。しかし実際の統計を見てみると、教員という職業はむしろ犯罪率が非常に低い職業であることが明らかになります。
犯罪率は一般よりも圧倒的に低い
文部科学省や警察庁の統計によれば、25歳〜59歳の教員の犯罪率は、同年代の一般人口と比較して約1/5以下という水準にあります。特に刑法犯全体で見たときの発生率は極めて低く、知能犯、窃盗犯、凶悪犯などすべてのカテゴリで一般人より著しく少ないと報告されています。
性犯罪に関しても同様
注目されやすい性犯罪に関しても、教員の発生率は一般人の半分以下です。たしかに、生徒と日常的に接する立場ゆえに性犯罪が起きた場合の影響は大きく、報道の注目度も高くなりますが、実際の発生件数は極めて限定的であることが確認されています。
文部科学省の最新調査(令和5年度)では、全国約92万人の教員のうち、性犯罪・性暴力で懲戒処分を受けた教職員はわずか320人(約0.03%)。うち児童生徒に対するものは157人(0.02%)でした。
起こしてはならない職業ゆえに騒がれやすい
教員は「犯罪を起こしてはならない職業」であるという社会的要請が極めて強い分、たとえ少数の事例であってもメディアで大きく取り上げられ、世間の注目を集めます。これにより、実際以上に「教員による犯罪が多い」という印象が強まってしまう現象が生じています。
結論:教員は信頼性の高い職業
実際のデータに基づけば、教員は非常に犯罪率の低い職業です。特に性犯罪についても、世間のイメージほど多くはなく、報道による印象と統計の実態にはギャップがあります。
もちろん、たとえ一件であっても重大な被害を生む性質の犯罪であるため、再発防止や教育現場の倫理強化は不可欠です。しかし、全体像としては、教員はきわめてクリーンで信頼性の高い職業であることを冷静に理解することが重要です。