毎回のように「自民党が勝つ」。 失言、スキャンダル、政策ミスが繰り返されても、なぜ自民党は選挙で強いのか。 「政治が変わらない」のではない。 変えようとしない“有権者の投票行動”が、日本の政治を歪めているのだ。
この記事では、自民党がなぜ支持され続けるのか、その背後にある「考えない投票」の構造を明らかにする。
自民党が強いのは「政策が優れているから」ではない
自民党は近年、物価高対応や少子化対策などで後手に回り、若者世代を中心に不満の声が強まっている。 にもかかわらず、支持率は下がらず、選挙のたびに勝ち続けている。
理由は単純だ。
有権者が“考えずに投票している”からである。
「知ってるから入れる」――知名度投票の落とし穴
多くの高齢者層にとって、自民党は「テレビでよく見る政党」。 石破総理や歴代の自民党議員の顔を“見慣れている”というだけで、票が入る。
- 政策を比較しない
- 他党の主張を知らない
- でも選挙には行く
このような「知名度投票」は、政治を顔とイメージだけの“人気投票”に変えてしまっている。
「義理で入れる」「付き合いで投票する」組織票の影響力
自民党は農協、医師会、建設業界、商工会など、あらゆる業界団体と結びついている。 こうした団体の多くは、構成員に「今回もよろしく」と暗黙の圧力をかけて票を動かす。
- 地元の自民議員に世話になっている
- 親の代から支持してきた
- 団体の空気に逆らえない
こうした「思考停止の組織票」が、毎回の選挙で大きな力を発揮している。
「なんとなく安定感がある」という幻想
「他の政党は頼りない」「一度政権交代したらひどかった」といった過去の印象が、自民党の相対的な“安定感”を演出する。
だが、実際はどうか?
- 年金制度は不安定なまま
- 子育て支援は後手後手
- 消費税は増え、実質賃金は減り続けている
さらに、最近では次のような深刻な問題も明らかになっている。
- 自民党議員による裏金疑惑(政治資金パーティーを通じた不透明な資金の流れ)
- 統一教会(旧・世界平和統一家庭連合)との癒着問題(選挙支援の見返りや密接な関係性)
これらは民主主義を揺るがす深刻なスキャンダルであるにもかかわらず、大きく政権支持率に影響しない。 それはつまり、多くの有権者が「情報を精査していない」証拠とも言える。
若者の政治参加が少ない理由とその弊害
一方で、30代以下の若年層は政治に無関心だったり、「どうせ変わらない」と諦めていたりする。
- 若者の投票率は30〜40%台
- 高齢者は70%以上で圧倒的多数派
- 若者の声は、票数で負けている
結果として、選挙は「テレビと地縁の中で決まる儀式」と化し、未来志向の選択肢は排除されてしまう。
日本の選挙を変えるために必要なこと
問題は、自民党の存在ではない。 問題は、それを無意識のうちに支え続ける“思考停止の投票行動”にある。
今後、政治を変えるには:
- 調べてから投票する
- 政策で選ぶ
- 家族や周囲に「なぜその政党を選んだのか」を語る
こうした「当たり前」が、ようやく一票の意味を取り戻す第一歩となる。
まとめ|“考える一票”が、政治を変える
自民党が強いのは、政策が圧倒的だからではない。
有権者が考えずに投票しているから、結果として強く見えているだけだ。
変わらない政治を嘆く前に、まずは一人ひとりが「調べて選ぶ」こと。 それだけで、日本の政治は確実に変わっていくはずだ。