2025年7月20日に投開票が行われた参議院選挙で、与党(自民党+公明党)は歴史的な大敗を喫し、参院でも過半数を割り込む見通しとなった。これにより、衆議院と参議院の両方で与党が過半数を失う“少数与党”となり、ねじれ国会は不可避の情勢となっている。
与党の過半数割れ:政権運営に重大な支障
改選・非改選を合わせた125議席中、自公で50議席確保を目指していたが、出口調査や情勢分析では32~51議席にとどまる可能性が高いとされる。すでに衆院では2024年の総選挙で過半数割れしており、今回の参院選結果をもって、戦後初となる衆参両院“少数与党”という政権基盤の危機的状況が生まれた。
ねじれ国会の到来:政策実行に深刻な停滞
ねじれ国会とは、衆参で与党と野党の勢力が異なり、法案や予算の審議・可決に与党単独では対応できない状態を指す。今後、重要法案の通過には野党の協力が不可欠となり、政策の実行力が著しく低下する。特に予算案・安保政策・社会保障改革などは、対立の焦点となる可能性が高く、政府の運営は難航することが確実視されている。
石破政権の求心力低下と政局の不透明化
この結果を受けて、石破首相の続投に疑問符が付き始めている。党内では責任論が強まり、総裁交代を求める動きも加速しつつある。野党側も不信任決議を視野に入れた国会戦術を取りやすくなり、政局は一気に流動化している。
解散総選挙の可能性:再信任を問う選択肢
与党が衆参ともに少数となり、政策実行に支障が出れば、衆議院の解散・総選挙によって国民に信を問う動きが出てくる可能性がある。実際、過去のねじれ国会では、首相が政治的正当性を回復するために解散を選択した例もあり、今回も同様の展開が予想される。もっとも、政治空白や選挙コストといった懸念もあり、判断には慎重さが求められる。
大連立の可能性も浮上
このねじれ国会を打開する一手として、一部では「大連立」の可能性も取り沙汰されている。自民党内では、政策協調が比較的しやすい国民民主党や日本維新の会との連立拡大を模索する動きがある。とりわけ、国民民主との連携は実現性が高いとされる。一方で、立憲民主党との“超幅広連立”については否定的な声が多いものの、政策実現のためには「何でもあり」の流れになる可能性も否定できない。
未曾有の政局:戦後初の事態で予測不能の展開へ
衆参ともに与党が過半数を失うという事態は、戦後初の異例中の異例であり、今後の政局は完全に予測不能の様相を呈している。与野党の力関係、政界再編、政策連携、政権の存続すら不確かな中で、日本政治は大きな転換点を迎えていると言える。
今後は、野党の動向、与党内の求心力、政権の再編成、そして最終的に総選挙へと進むか否かが、焦点となるだろう。