2025年7月20日に実施された参議院選挙で、参政党は前回を上回る議席を獲得し、その存在感を一気に高めました。しかし、その選挙特番におけるメディアの対応は、公平性に欠けるものであったとの声が多く上がっています。
藤井アナの発言──報道の中立性を揺るがす一言
中でも象徴的だったのが、日本テレビ「zero選挙2025」での藤井貴彦アナウンサーの発言です。参政党の神谷宗幣代表に対して、藤井アナは開口一番こう述べました。
「日本の安全について核武装が安上がりだとする候補者がいらっしゃいました。戦後80年ずっとお爺ちゃんお婆ちゃん達が大切に育ててきた平和に対して安上がりという表現は使ってほしくなかったんですよ」
この言葉はまさに、高齢者層の心に訴えかける表現であり、彼らが“自分たちの話だ”と感じやすいフレーズで構成されている。すなわち、旧態依然としたオールドメディアにおいて、視聴者層の中心である高齢者にすり寄る意図が透けて見える発言であるとも言える。
この発言は、客観的な質問というより、アナウンサー個人の価値判断を前面に出したものと受け取られ、SNSでは「中立性を逸脱している」「感情的な印象操作だ」といった批判が相次ぎました。他方、藤井アナを擁護する声も見られましたが、それは主に参政党の政策スタンスに否定的な層からのものでした。
アナウンサーは「局の代弁者」である
ここで問題とすべきは、参政党の主張の是非ではありません。報道番組において、アナウンサーが政治的文脈で自らの感情をぶつけることの妥当性です。アナウンサーは単なる進行役ではなく、放送局や番組編集方針の“代弁者”として機能する存在であり、その発言は局全体のスタンスとして視聴者に受け止められます。
今回の藤井アナの発言は、結果としてオールドメディアが新興政治勢力の台頭を認めたくないという“拒絶反応”を象徴した出来事といえます。
若年層 vs 高齢層──メディア分断が鮮明に
また今回の参院選では、ネットやSNSを主要な情報源とする若年層が参政党に票を投じ、テレビや新聞を主な情報源とする高齢者層の投票行動とは一線を画しました。これは、情報環境による政治認識の断絶、すなわち“メディア分断”が可視化された選挙でもありました。
テレビ局がこの変化を受け入れられなかった結果が、今回のような“選挙勝者への冷遇”という形で現れたのではないでしょうか。報道機関としての中立性が問われる中、視聴者の信頼を失うような態度は、テレビ離れやメディア権威の失墜を加速させる恐れがあります。
報道機関は原点に立ち返るべきだ
今後の報道は、どの政治勢力であれ、公平かつ冷静に向き合う姿勢が強く求められます。ネット時代の視聴者は、もはや“一方向の刷り込み”では動かない。そうした現実を直視しない限り、旧来メディアの信頼回復は遠のくばかりです。
まとめ
・藤井アナの「安上がり」発言は、報道の中立性を問う象徴的事例
・アナウンサーは局の代弁者であり、私見の表明は偏向と受け取られる
・ネット/SNS世代とオールドメディア依存層の断絶が選挙結果に表出
・メディアは感情や既成概念にとらわれず、公平報道の原点に立ち返るべきである
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