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河合ゆうすけと平野雨龍:二人の関係性に潜む政治的な違和感とは

2025年の参議院選挙を通じて、ネット上で大きな注目を集めた人物が二人いる。一人は、戸田市議会議員で"ジョーカー議員"の異名を持つ河合ゆうすけ氏。もう一人は、香港民主化運動の象徴的人物として知られ、参院選に無所属で出馬した平野雨龍氏だ。

表面的には、どちらも保守系・右派的スタンスに見える。しかし、両者の思想背景や行動を精査すると、単なる保守の共鳴では説明できない"きな臭さ"が浮かび上がってくる。

表面的な共通点:保守層へのアピールと外国人問題

河合氏は、クルド人との対立構造で戸田市議としての存在感を強め、外国人問題に対する強硬な姿勢で保守層の支持を得てきた。一方の平野氏も、中国人の土地取得や帰化制限、スパイ防止法の制定を訴え、いわゆるネット保守層からの共感を集めている。

このように、外国人・治安・伝統文化といったキーワードで保守層の支持を得るという点で、両者は共通しているように見える。

平野雨龍の実像:極右思想と香港政治運動の橋渡し

だが、平野雨龍氏の本質は、単なる日本的保守思想の体現者ではない。彼女の政治的出発点は、日本ではなく香港であり、実際に「日本反送中第一人」として香港民主化運動を国内に持ち込んできた経歴を持つ。

その主張の中核には、香港と同様に中国共産党と戦う日本人の精神的覚醒がある。つまり、彼女の"愛国"や"保守"は、日本独自のものというより、反中国共産党運動の延長線上にあるグローバルな思想運動の一端と見なすべきである。

河合ゆうすけの肩入れ:思想的共鳴か、ただの炎上商法か

河合氏は平野氏の街頭演説で応援演説を行い、YouTubeでも共演するなど、明確に支持を表明している。また、暇空茜氏の在宅起訴については、あたかも「平野氏への名誉毀損的な言動の結果であるかのように」SNS上で発信し、「当然の報いだ」と断じた。だが実際には、暇空氏の起訴は別件(他者への名誉毀損)によるものであり、平野氏とは法的関連性がない。にもかかわらず、河合氏が事実関係を整理することなく、感情的・断定的な形で平野氏擁護に転化した点は、政治的に極めて不誠実な態度であると言える。

さらに問題なのは、この在宅起訴が「2年前の発言」に対して突然行われたにもかかわらず、そのタイミングがちょうど平野氏への批判や追及がネット上で盛り上がりを見せている時期と重なっていることである。なぜ今なのか、という疑問が自然に浮かぶ。これは単なる偶然なのか、それとも平野氏とつながりのある何者かが動いた結果なのか。少なくとも、タイミングと対象のズレは看過できない要素であり、政治的・社会的な圧力や関係者の意図が背景にある可能性を否定することはできない。

しかし、ここに違和感がある。河合氏自身は、かつては保守・ポピュリスト的言動で注目を集めたが、平野氏のような"香港由来の思想運動"を無条件で擁護するのは、思想的整合性に欠ける行動とも言える。

つまり、河合氏の肩入れは、思想的共鳴というよりは、SNSでの影響力拡大や話題性を狙ったパフォーマンス的な意味合いが強いのではないか、という疑念がつきまとう。

二人の関係性に潜む危うさ

河合氏が平野氏を支持すること自体は自由である。しかし、政治的にきな臭い思想背景を持つ人物に対して、出自・思想・活動の実態を検証することなく絶対的に擁護する姿勢は、公人として極めて問題がある。

さらに言えば、平野氏の思想を「日本の保守」と誤認したまま共鳴する層を増やすことは、日本国内の政治的混乱や、対外的な緊張を無自覚に助長する可能性すらある。

まとめ

一見すると共通点の多い河合ゆうすけ氏と平野雨龍氏。しかし、実際には、両者の関係性は「保守の連携」ではなく、政治的背景を無視した短絡的な結びつきに過ぎない可能性がある。思想的に危うい人物との共闘は、その人物の影響力を広げるリスクを伴う。

河合氏が何を知って応援しているのか、そして私たちはその構図をどう読み解くべきか。今後も注視が必要である。

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