広告 時事ニュース

【2025夏の甲子園】広陵高校初戦突破に広がる冷ややかな視線と批判

2025年8月7日、広陵高校は全国高校野球選手権大会(夏の甲子園)にて、旭川志峯高校との初戦に勝利した。しかし、グラウンドでの勝利とは裏腹に、広陵高校を取り巻く空気は冷ややかなものとなっている。

“加害者集団”の印象が拭えぬままの出場

広陵高校野球部では2025年初頭、上級生による暴行・いじめ・性的加害行為が行われていたとされ、被害者は転校にまで追い込まれている。学校側や高野連がこの事実を把握しながらも、「厳重注意」にとどめた処分内容に対しては、全国的に批判が高まっていた。

今回の甲子園出場は、そのような疑惑の渦中にあって実現したものであり、 「もはや出場選手たち自身が加害側ではないか」 という声がSNS上で噴出している。

NHKを含む複数メディアがすでに事件報道を実施

SNS上での炎上を受け、広島県内の地方局(例:広島ホームテレビ)や一部の**民放番組・配信系メディア(Abemaなど)**が相次いで本件を取り上げている。内容は、被害者の転校や暴行の実態、学校側の対応の不備などに踏み込んだものとなっており、事件はすでに「公知の事実」となっていた

さらに、NHKの甲子園中継でも、事件の存在について言及があったことが確認されており、これは全国中継としては異例の対応といえる。

一方で、全国の主要民放すべてが事件を特集・報道したわけではなく、報道姿勢には差が見られる

主催者側の姿勢に批判集中

それにもかかわらず、

  • 高野連は事件発覚後も独立調査委員会などの設置を行っておらず
  • 主催の朝日新聞も紙面や放送で実質的な言及を避け続けている

こうした態度に対して、

「このまま風化を待つつもりなのか」 「主催者自らが信頼を損なっている」 という非難が、SNSを中心に強まっている。

プレーボールとともに薄れる問題意識への警鐘

広陵高校が試合に勝利し、プレーが注目されることで、「選手の頑張りをたたえるべき」という論調も出てきている。しかし、問題の本質は、その選手たちが加害構造の中にいた可能性が否定できない点にある。

同時に、主催・運営側が処分や説明責任を果たさないまま大会が進行していることに、高校野球という文化全体への信頼を揺るがす事態だとの声もある。

結論:問われているのは勝敗ではなく「説明責任」

広陵高校の初戦突破は、記録としては残るだろう。しかし、現時点で問われているのは「勝ったか負けたか」ではなく、

  • なぜ暴行事件が起きたのか、
  • なぜ適切な調査・処分がなされなかったのか、
  • そしてなぜそれでもなお、何事もなかったかのように甲子園に出場できているのか、 という一連の構造的問題である。

この大会において、最も注視されるべきなのは、グラウンドの外にある「説明責任」そのものだ。

 

-時事ニュース