はじめに
「在日特権を許さない市民の会(在特会)」と「日本第一党」は、日本の政治・社会においてしばしば話題になる団体です。両者は深い関係を持ち、ともに桜井誠氏を中心人物として展開してきました。本記事では、両者の成り立ちや活動内容、そして社会的な評価について詳しく解説します。
在特会とは?
設立:2007年
創設者・代表:桜井誠(本名:高田誠)
在特会は「在日韓国・朝鮮人に不当な特権が与えられている」という主張のもとに結成された市民団体です。特別永住者制度や通名使用、生活保護受給などを「在日特権」と呼び、それを問題視して街頭活動を展開しました。
主な活動
- 朝鮮学校や韓国大使館前でのデモ活動
- インターネットを活用した情報発信
- グッズ販売や会員制による資金調達
社会的評価と批判
- 「朝鮮人を日本から叩き出せ」といった過激なスローガンで知られ、ヘイトスピーチ団体として国内外から批判を浴びました。
- 2014年、最高裁判所は在特会の活動を「人種差別に該当する」と判断し、法的にも差別団体として認定されました。
その後は活動が縮小し、全盛期ほどの影響力は持たなくなりました。
日本第一党とは?
設立:2016年
代表:桜井誠
日本第一党は、在特会の流れを汲む形で桜井誠氏が立ち上げた政治政党です。市民団体としての活動から「政党」としての形に移行した存在といえます。
主な政策・主張
- 移民・外国人政策:特別永住者資格の廃止、外国人生活保護の禁止
- 憲法・安全保障:憲法改正による国軍創設、自衛権の強化
- 経済・社会政策:消費税廃止、公務員給与の大幅削減
- 韓国・中国への強硬姿勢、北朝鮮系学校への補助金廃止
選挙活動
- 東京都知事選(2016年、2020年)に桜井誠氏が立候補し一定の注目を集めましたが、当選には至らず。
- 国政選挙でも候補者を擁立していますが、いまだ議席獲得には至っていません。
資金源について
両者に共通するのは、大口スポンサーや企業献金がなく、支持者からの小口寄付や会費が中心という点です。
- 在特会:会員制による会費、グッズ販売、ネットでのカンパ
- 日本第一党:党費・サポーター費、個人寄付、関連書籍・グッズの販売
在特会は任意団体のため資金の透明性が低いのに対し、日本第一党は政治団体として政治資金収支報告書を提出しており、一定の透明性があります。
在特会と日本第一党の違いと関係性
項目 | 在特会 | 日本第一党 |
---|---|---|
設立年 | 2007年 | 2016年 |
性格 | 市民団体 | 政治政党 |
主な活動 | デモ・街宣 | 選挙・政策提言 |
中心人物 | 桜井誠(初代代表) | 桜井誠(代表) |
批判 | ヘイトスピーチ問題 | 排外主義的政策 |
資金源 | 会費・寄付(不透明) | 会費・寄付(収支公開あり) |
両者は「在特会の活動が社会的批判で縮小 → 日本第一党として政治的活動にシフト」という流れでつながっています。思想的にはほぼ同一線上にあり、桜井誠氏を中心に展開した市民運動と政治活動の二段階といえます。
まとめ
- 在特会は「在日特権」批判を掲げて活動した市民団体で、ヘイトスピーチ問題で社会的制裁を受け縮小。
- 日本第一党はその延長線上で桜井誠氏が設立した政党で、同様の主張を掲げて選挙活動を展開。
- 資金源はどちらも草の根的な寄付や会費が中心で、在特会は不透明、日本第一党は一定の透明性を持つ。