事件の概要
2025年8月16日に行われた「将棋日本シリーズ JTプロ公式戦」準々決勝第2局(渡辺明九段 vs 山崎隆之九段)において、聞き手を務めていた女流棋士・竹部さゆりさんが、生放送中に対局者に関するプライベートな発言を行い、大きな騒動へと発展しました。
竹部さんは解説中に山崎九段の「離婚」という非公開の私生活情報に触れ、会場や視聴者が凍りつくような空気となりました。その後、山崎九段は中盤までは優位に立っていたものの、終盤にかけて急失着を重ね、渡辺九段が逆転勝利を収めました。
さらに竹部さんは、渡辺九段についても「最近離婚されて」と発言しました。渡辺九段の離婚は既に公表されている事実ではあるものの、対局中に軽々しく言及することは極めて不適切と受け止められ、批判を招きました。
なぜ問題視されたのか
竹部さんの発言がこれほど強い批判を浴びたのは、以下の理由によります:
- 非公開情報の暴露:山崎九段の離婚は公にされていないプライベート情報であり、放送中に触れるのは明確に不適切。
- 対局者への影響:発言が当人に聞こえる環境で行われ、集中力を乱す要因になった可能性がある。
- 場の性質:会場には子どもや家族連れも多く、健全な将棋普及イベントにおいて相応しくない内容だった。
- 渡辺九段への発言:離婚自体は公表済みの事実とはいえ、真剣勝負の場で取り上げるのは場違いであり、棋士本人への敬意を欠くものと受け止められた。
批判と炎上
SNS上では「女流棋士としての品位が疑われる」「将棋界全体のイメージを傷つけた」といった非難の声が殺到しました。竹部さんはその後、自身のSNSで謝罪を表明しましたが、「リプは本当に考えてつけてください」といった投稿も見られ、さらに批判が拡大する事態となりました。
本人の対応 ― 活動自粛へ
騒動を受け、竹部さゆりさんは**「当分の間、対局以外の活動を自粛する」**と表明しました。これにより、イベントや解説、聞き手としての出演は今後見合わせる見通しです。ただし、現時点で日本将棋連盟からの正式な処分や声明は確認されておらず、今後の対応が注目されています。
将棋界に与える影響
今回の件は、単なる一棋士の失言にとどまらず、将棋界全体に大きな教訓を与える出来事となりました。特に以下の課題が浮き彫りになっています:
- 解説・聞き手のコンプライアンス教育:プライベートに踏み込まない発言規範の徹底。
- イベント運営側のチェック体制:発言内容への注意喚起や即時制止のルール強化。
- 棋士の品位保持:プロ棋士・女流棋士としての公的役割を意識した行動の必要性。
まとめ
2025年8月16日のJT杯で起きた竹部さゆりさんの発言は、将棋界に深刻な影響を与える事件となりました。山崎九段に関する非公開情報の暴露、そして渡辺九段への場違いな発言が重なり、批判はさらに強まりました。本人は活動自粛を表明しましたが、対局中の発言がもたらした波紋は大きく、将棋連盟や関係者がどのように信頼回復へ取り組むのか、今後も注視が必要です。