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2025年自民党総裁選候補者の比較

2025年総裁選の候補者一覧と2024年からの変化

2025年9月に実施される自民党総裁選には、5人の候補者が立候補しましたasahi.com。届け出順に以下の5名ですasahi.com

  • 小泉進次郎(44歳)農林水産大臣

  • 高市早苗(64歳)前経済安全保障担当大臣

  • 林芳正(64歳)官房長官(前外相)

  • 小林鷹之(50歳)元経済安全保障担当大臣

  • 茂木敏充(69歳)前自民党幹事長

この顔ぶれは前年(2024年)の総裁選とほぼ同じです。2024年9月の総裁選には過去最多となる9人が立候補しjimin.jp、上記5名に加えて石破茂氏(当選者・現首相)、河野太郎氏、加藤勝信氏、上川陽子氏が候補者でしたjimin.jp。2025年は石破氏が退陣表明に伴い不出馬となり、河野氏・加藤氏・上川氏も立候補せず、結果として「昨年出馬した人ばかり」の再戦となっていますnagoyatv.com(野党からは「1年前の『敗者復活戦』」との指摘もありますnagoyatv.com)。新規の顔触れはおらず、昨年石破氏に敗れた候補者たちが再び競う構図です。

1. 世論調査における人気

総裁選に立候補した各候補の世論での人気(次の首相にふさわしい人物か)を比較すると、小泉氏と高市氏の2名が突出しています。石破首相の退陣表明直後に実施されたJNNの全国世論調査では、「次の総理にふさわしい人物」として小泉進次郎氏と高市早苗氏が同率1位となり、石破茂首相(当時現職)は3位という結果でしたnewsdig.tbs.co.jpnewsdig.tbs.co.jp。石破氏は退陣直前まで一般人気が高く、8月下旬の毎日新聞の調査でも21%でトップでしたが、高市氏が14%で2位と続きましたx.com。石破氏の不出馬により、世論の人気投票では小泉氏と高市氏が双璧となっています。

他の候補の世論での支持はこの2名に及びません。林芳正氏や茂木敏充氏は知名度はあるものの国民的人気は高くなく、調査で名前が挙がっても一桁台と見られます。小林鷹之氏は一般への認知度が低く、世論調査で目立った支持は確認されていません。ただし、石破氏退陣に伴う緊急調査では石破茂氏が27%でトップ、小泉氏が21%で2位との結果も報じられておりx.com、石破氏支持層の受け皿として小泉氏が一定の支持を集めていることがうかがえます。一方、高市氏は保守層を中心に根強い人気があり、世論調査でも常に上位に位置していますnewsdig.tbs.co.jp

2. メディア・党内の下馬評

メディアの論調や党内の評価では、小泉氏と高市氏の2人が有力視されています。報道でも「小泉氏と高市氏が有力候補」と位置づけられておりasahi.com、党内外の下馬評でもこの二人が軸になるとの見方が強いです。小泉氏は昨年の総裁選で国会議員票でトップになるなど若手・中堅議員の支持を集めた実績がありasahi.com、世論の人気も加味して「ポスト石破」の最有力と目されています。高市氏も昨年の決選投票で石破氏に僅差まで迫った(石破215票、高市194票)経緯がありnewsdig.tbs.co.jp、保守派議員や党員に根強い支持基盤を持つ有力候補ですasahi.com

一方、その他の3名にもそれぞれ党内から一定の期待や評価が寄せられています。林芳正氏は岸田派の有力者で政策通として評価が高く、「安定志向」の議員から支持を得ています。党内では「ベテランの林氏が総裁を務め、挽回を図るべき」との声もあります。ただし派閥色が強く地味との指摘もあり、下馬評では「妥協候補」と見る向きもあります。小林鷹之氏は50歳と若く、改革意欲を前面に出す“ダークホース”的存在です。麻生派に属し麻生太郎氏の支援を得られる可能性が取り沙汰されていますがnagoyatv.com、党内の評価では「知名度不足は否めない」という声も少なくありません。茂木敏充氏はかつて幹事長を務めた経験から党運営に精通し、竹下派(茂木派)の支持を固めています。外交・経済の実務経験が豊富で「実力者」の評価がありますが、昨年の総裁選では9人中6位と振るわずasahi.com、党内からは「巻き返しは厳しい」との冷ややかな見方も報じられています。

党内情勢としては、各派閥の思惑が下馬評に影響を与えています。石破派(無派閥連絡会)は石破氏不出馬後の対応が注目されましたが、石破氏自身は今回特定候補を推さない意向とも伝えられます。その一方で、麻生副総裁と菅前首相が石破首相に辞任を促し後継レースを動かしたとも報じられnagoyatv.com、ベテラン勢の影響力が指摘されています。野党側からは「出ているのは昨年敗れた人ばかり。党の刷新にならない」と批判の声もありましたnagoyatv.comが、逆に言えば昨年から継続する党内争いの延長戦として位置づけられ、メディアも各候補の「強みと弱み」を比較しつつ連日報じています。

3. 当選の見込みと支持勢力

勝敗の行方を左右するポイントは、初回投票での党員票動向と決選投票での議員票の行方です。今回の総裁選はフルスペック(国会議員票と党員票が同数)で行われるため、「つまりは人気投票」とも言われasahi.com、一般党員票の取り込みが重要になります。特に小泉氏と高市氏の2名は地方党員票の争奪戦で有利と目されています。小泉氏は「総裁選を内向きにしない」と強調し、世論の支持を味方につけて党員票獲得を狙う戦略ですnewsdig.tbs.co.jp。昨年は国会議員票でトップだったものの党員票で伸び悩み決選投票に進めなかった反省から、今年は全国行脚やメディア発信で地方票拡大を図っています。一方の高市氏も地方組織に太いパイプがあり、特に保守系党員の票では他候補をリードするとみられます。昨年も高市氏は党員票で石破氏と拮抗し決選進出を果たしており、その再現を目指しています。

決選投票にもつれ込んだ場合の勝算は、誰が上位2名に残るかで大きく異なります。小泉氏 vs 高市氏の決選対決になれば、党所属国会議員票の動向がカギです。一般的に党員票で優勢な候補ほど決選投票では不利とされ、議員票では組織力の強い高市氏有利との見方もあります。しかし小泉氏は昨年、石破陣営や河野陣営の一部議員とも親しく、派閥横断的な支持を得る可能性も指摘されています。高市氏は党内保守派の結束が強みですが、中堅・若手の一部に敬遠する向きもあり、議員票の伸び悩みリスクもあります。

他の組み合わせでは、林氏や茂木氏が決選に残った場合は議員票で逆転を狙える展開も考えられます。林氏は岸田派約40人の固まりに加え他派からの浮動票を期待できますが、党員票で2位以内に入るハードルは高めです。茂木氏は自身の派閥(約50人規模)の組織力が武器ですが、人気面で苦戦し決選進出自体が難関です。小林氏は当選のシナリオを描きにくいものの、麻生派の一部支援と若手票を集め「政策通・潔白」イメージで健闘を期しています。いずれにせよ、初回投票で過半数を得る候補は不在との見通しが強く、トップ当選ラインの党員算定票(全367票)で100票超をどの候補が獲得できるかが決選進出の分かれ目となります。そして決選投票では国会議員票(367票)+都道府県代表票(47票)の合計414票で争われ、議員間の駆け引き次第では初回2位の候補が逆転優勝する可能性もありますnewsdig.tbs.co.jp

現時点の当選期待度としては、小泉氏と高市氏がやや先行しているものの、石破退陣後の党内再編成により派閥間の駆け引きが活発化しており流動的です。キングメーカーとも言われる麻生太郎氏や安倍派残党の動向も決して一枚岩ではなく、水面下での連携・票読みが続いています。メディア報道では「少数与党での生き残りを懸けた解党的出直し」とも評されnewsdig.tbs.co.jp、各候補とも党再生を掲げつつ熾烈な票争いを展開しています。

2024年総裁選との比較まとめ

前年の総裁選(2024年9月)との違いとしては、まず候補者の顔触れが変化した点が挙げられます。前述の通り2025年は昨年の敗者5人のみが立候補し、新たに出馬した有力政治家はいません。一方、昨年総裁に選出された石破茂氏は今回は立候補せず退陣に至りました。また、前年に出馬した河野太郎氏、加藤勝信氏、上川陽子氏といった有力候補も今回は名を連ねていませんjimin.jp。特に河野氏は昨年党員票で一定の支持を得ていましたが、今年は参院選敗北の責任を取る形で選対副委員長代理を辞任しており総裁選には関与していませんyoutube.com。代わりに河野氏に近い若手・改革派の票が小泉進次郎氏に流れる構図となっています。

政策論争のテーマや党内情勢にも変化があります。昨年は岸田前総裁のもとで派閥の思惑が交錯する中での総裁選でしたが、今年は参院選大敗と石破政権の行き詰まりを受けた緊急色の強い選挙となりましたnewsdig.tbs.co.jp。そのため各候補とも党の立て直し策や野党との連携可能性など「政権維持」に踏み込んだ論戦を展開しており、論点も昨年より深刻かつ具体的になっています。例えば財政再建や外交安全保障といったテーマに加え、「少数与党で政策をどう実現するか」「党執行部の刷新」といった切迫した課題が議論されています。

総じて、2025年総裁選は前年の延長戦でありながら、石破政権の退陣という劇的な前提変化の下で行われるため、候補者の立場や党内勢力図は再編されています。昨年の雪辱を期す候補者たちの中から誰が抜け出すのか、そしてその選出プロセスが自民党の再生につながるのか、大きな注目が集まっています

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