― 学歴詐称で失職後の伊東市長選に挑む“建前”と“本音”を徹底解説
静岡県伊東市で2025年12月に行われる出直し市長選。
学歴詐称問題により失職した田久保真紀・前市長が、わずか数か月後に再び立候補したことが大きな話題となっている。
多くの市民が抱く疑問はひとつ。
「失職したのに、どんな神経でまた出てくるのか?」
本記事では、田久保氏サイドが語る“建前の理由”だけでなく、
地方政治の実態から見た“本当の出馬理由”までを整理し、
再び不信任される可能性や、今後の市政への影響をわかりやすく解説する。
■ なぜ再び立候補できるのか?
● 法制度上、学歴詐称は立候補禁止にならない
公職選挙法では、欠格となるのは
禁錮刑以上の有罪判決
公選法違反の刑罰
など、刑事罰が中心。
学歴詐称は「信用失墜」であり、法的に立候補資格を失わせるものではない。
そのため、制度上は何の問題もなく再出馬が可能なのだ。
■ 田久保氏が語る“建前の理由”
田久保氏は再出馬について、次のように説明している。
① 「公約を実現したい」
図書館建設の見直し
メガソーラー事業への反対
市政改革の継続
など、「道半ばの改革をやり遂げたい」と主張。
② 「支援者からの声」
失職後も後援会や支持者から
「もう一度挑戦してほしい」
という声が多かったと説明。
③ 「市民に信を問いたい」
学歴問題を含め、すべてを有権者の判断に委ねたいという姿勢を強調。
■ だが、政治の現場では“本音の理由”が別にある
地方選挙の構造を踏まえると、田久保氏が再出馬する本質的理由は次の通り。
● 本音①:元市長には一定の「固定票」がある
一度当選した政治家には、
後援会ネットワーク
地域の推薦団体
顔の広さ
に支えられた安定した票の塊が存在する。
スキャンダルがあっても、この基盤はすぐには消えない。
つまり、選挙として“勝算がある”から出るというのが最大の理由だ。
● 本音②:候補者乱立(9人出馬)は元職に有利
9人が立候補する今回の選挙は票が大きく割れる。
票が分散すれば、固定票を持つ候補が当選しやすくなる。
田久保氏が再挑戦した背景には、
**「混戦になればチャンスがある」**という冷静な計算がある。
● 本音③:地方では“学歴スキャンダル”より人脈が重い
残念ながら、地方政治では
長年の付き合い
地域社会の信頼関係
地元組織との繋がり
といった「リアルな繋がり」が票を左右する。
学歴詐称は東京では致命傷になり得るが、
地方では実質的な影響が小さいケースも多い。
● 本音④:政治家という職業を続けたい
政治家は
年収が高い
地位・権限がある
影響力も大きい
という魅力的な職業。
一度そのポジションに就いた人間は簡単に手放したくない。
その心理も、再出馬を後押ししている。
■ 再び不信任される可能性はあるのか?
結論から言うと、十分にあり得る。
● 議会との対立構造は解消されていない
田久保氏は過去の不信任に対抗し、市議会を解散して“味方を増やす”選挙を行った。
しかし結果は逆で、不信任派が多数を占め、再び失職に至った。
議会の構成が大きく変わらない限り、
再選後も同じ対立が再発するリスクが高い。
■ まとめ:制度の穴と地方政治の構造が生んだ「異様な再出馬」
田久保真紀氏の再出馬は
法制度の盲点(学歴詐称は欠格事由ではない)
地方選挙の構造(固定票 × 票割れ)
倫理より票が優先される現実
が重なって起きた“政治的現象”だ。
あなたが感じた
「普通ならありえない」
という違和感は、社会常識として完全に正しい。
しかし政治の世界では、
制度が許し、票の計算が合う限り、こうした事態は十分に起こり得る。