2026年に入り、新党「中道改革連合」を巡って、創価学会および公明党の長年の選挙運動手法が内部資料やリークによって可視化され、SNS上で大きな波紋を呼んでいます。本件は単なる政治的対立ではなく、「公職選挙法違反の可能性」という法的観点からも看過できない内容を含んでいます。
本記事では、公開・流出した指示書や行動計画をもとに、どこに違法性が疑われているのかを整理し、なぜ今回ここまで問題化しているのかを解説します。
中道改革連合とは何か
中道改革連合は、既存政党の枠組みを超えた「中道」を掲げる新党として説明されています。しかし、内部向けQ&Aや支援指示書の内容を見る限り、実態としては創価学会を母体とする従来型の選挙運動が色濃く残っていることが読み取れます。
とくに注目されているのは、「全国で支持を広げる」「選挙を戦う」といった文言が、公示前の段階で具体的な日程・行動計画とともに示されていた点です。
問題となっている内部指示書の特徴
リークされたA4指示書や資料には、以下のような特徴が確認されています。
- 公示前の日付が明確に記された行動スケジュール
- 全国一斉での支持拡大・対話活動の呼びかけ
- SNS活用、訪問、声かけなどの具体的手段の明示
- 組織単位(本部・地域)での役割分担
これらは単なる思想啓発や宗教活動の範囲を超え、「選挙で当選させること」を目的とした運動と評価される余地があります。
公職選挙法上の主な論点
事前運動の禁止(129条)
公職選挙法では、公示日以前に選挙運動を行うことを原則として禁止しています。判断基準は表現ではなく「実質」です。
- 公示前であること
- 当選を得させる意思があること
- 行為が具体的であること
この3点がそろえば、「お願い」「励まし」「対話」といった言い換えを用いても、事前運動と判断される可能性があります。
戸別訪問の禁止(138条)
資料内には「訪問して励ます」「対話を行う」といった記載が見られますが、選挙目的での戸別訪問は、相手が学会員や内部関係者であっても原則禁止です。
宗教的な関係性を理由にしても、選挙目的が認められれば違法性は否定されません。
組織的・指示型運動の問題
今回の資料は、個人の自発的活動ではなく、組織として統制された行動計画であることが明白です。
- 本部主導
- 日付・手段・目標の明確化
- 全国展開を前提とした構成
このような形態は、過去の判例でも違法性を強く認定されやすい要素とされています。
宗教活動の自由との関係
「宗教活動の自由」を理由に問題ないとする主張も見られますが、選挙においては話が別です。
- 宗教活動の自由は憲法上保障されている
- しかし、選挙の公正は民主主義の根幹
選挙の公平性を損なう行為は、宗教団体であっても厳しく制限されるのが現在の法解釈と運用です。
なぜ今になって問題が表面化したのか
これまで創価学会と公明党の関係性は、長年「暗黙の了解」として扱われ、選挙運動の実態が大きく報道されることはほとんどありませんでした。
しかし今回は
- 新党結成というイレギュラーな動き
- 従来と異なる政治的立ち位置
- 現場会員への説明不足
が重なり、内部の違和感や危機感がリークという形で表出したと考えられます。
今後想定される影響
この問題が拡大した場合、以下のような展開が想定されます。
- メディアによる検証報道
- 市民団体や有識者からの告発
- 選挙管理委員会への情報提供・調査
特に「内部文書の存在」は、違法性判断において極めて不利な要素となります。
まとめ
中道改革連合を巡る今回の騒動は、単なる政党再編の話ではなく、長年温存されてきた選挙運動手法の法的限界が、初めて可視化された事例と言えます。
公職選挙法は、立場や思想に関係なく「実質」で判断される法律です。宗教団体であっても、その枠を超えて選挙運動を行えば、違法と判断される可能性は十分にあります。
今後の展開次第では、日本の選挙と宗教団体の関係そのものが、改めて問われる局面に入る可能性もあるでしょう。