最近、YouTubeで「収益化停止(YPP無効化)」を受けるチャンネルが急増している。
特に目立つのが、停止理由として表示される以下の文言だ。
信頼できないコンテンツ
教育的価値や新たな価値が付加されておらず、視聴回数を増やすことのみを目的として大量生産されたコンテンツや繰り返しの多いコンテンツがこれに該当します。
この文章は、2025年後半〜2026年にかけてX(旧Twitter)でも頻繁に報告されており、いわゆる「BAN祭り」「収益化停止祭り」と呼ばれる現象が起きている。
この記事では、直近数カ月のウェブ上の事例や傾向を整理しつつ、なぜこの判定が増えているのか、そして収益化停止を回避・復活するための現実的な対策をまとめる。
「信頼できないコンテンツ」とは何か?(YouTubeが示す意味)
YouTubeが示す「信頼できないコンテンツ」は、著作権侵害や暴力表現などの明確な違反とは異なる。
ポイントは以下の通り。
- 教育的価値がない
- 新しい価値が付加されていない
- 視聴回数を増やすことだけを目的としている
- 大量生産(量産型)
- 繰り返しが多い(テンプレ化)
つまり、違法性や炎上性ではなく、YouTube側が「低品質」「再利用」「量産」と見なした時に出る文言である。
ここで問題なのは、制作者側がどれだけ真面目に作っていても、AI判定によって「テンプレ量産」に見えると収益化停止が発生し得る点だ。
なぜ今、収益化停止が増えているのか?(BAN祭りの背景)
1. AIによる大量スキャンが強化された可能性
直近数カ月で「信頼できないコンテンツ」の停止報告が増えている背景には、YouTube側がAI判定によるスキャンを強化した可能性がある。
海外のYouTube運用系サイトでは、2025年7月頃から「量産型・繰り返し型コンテンツ」を収益化対象外にする方針が明確に強化されたと解説されている。
この流れは、単なるポリシーの更新ではなく、YouTubeの広告主保護の動きと一致する。
広告主側から見れば、炎上系・扇動系・テンプレ量産の動画はブランド毀損リスクが高い。
そのため、YouTubeが「広告を載せたくないチャンネル」を広く排除しようとしている可能性がある。
2. 「急に伸びたチャンネル」が監視対象になりやすい
X上でも散見されるのが、
- 直近で視聴数が急増
- Shortsや時事ネタで一気に伸びた
- 登録者が短期間で増えた
このようなタイミングで収益化停止が発生するケースだ。
つまり、伸びたチャンネルがアルゴリズム上「精査対象」になり、過去動画を含めて一括チェックされる。
その結果、形式が似ている動画が多い場合に「量産型」と誤判定されるリスクが高まる。
3. 「時事ネタ」「社会問題」「告発系」が巻き込まれやすい
特に巻き込まれやすいと言われているジャンルは以下。
- 時事ニュース
- 社会問題
- 事件解説
- 炎上ネタ
- 2chまとめ
- SNSまとめ
- 海外動画の翻訳まとめ
- AI音声朗読
これらは視聴者が伸びやすい反面、テンプレ化しやすく、YouTube側から見ると「視聴回数目的の大量生産」に見えやすい。
結果として、真面目な解説でも「信頼できないコンテンツ」扱いされることがある。
ウェブ上で確認できる事例(直近数カ月の報告)
YouTubeの収益化停止は公式が個別に公表するものではない。
しかし、直近数カ月では以下のような報告がウェブ上で確認できる。
海外コミュニティ(Reddit)
Redditなどの海外コミュニティでは、
- 自分で編集した動画
- 自分の解説を加えた動画
にもかかわらず「reused content(再利用コンテンツ)」扱いで収益化停止になった事例が複数報告されている。
「どこが悪いのか分からない」「基準が曖昧」という声が多く、運用者の混乱が続いている。
日本語圏(note等)
日本語圏でも、2026年初頭にかけて「信頼できないコンテンツで収益化停止になった」という報告記事が増えている。
内容としては、
- 特定の違反動画があるわけではない
- チャンネル全体の評価で落とされた
- 異議申し立ては通る場合と通らない場合がある
といった共通点が見られる。
## そして実際に、当チャンネルも収益化停止を受けた
この「信頼できないコンテンツ」判定は、他人事ではない。
実際に当方のYouTubeチャンネルも、直近で同様の理由により収益化停止となった。
現在は再審査(再申請)を提出済みであり、復活できていない状態である。
特に、社会問題(いじめ・暴行など)を扱う動画を一定期間投稿していたことが原因として疑われる。
ただし、当方の動画は以下の点を徹底していた。
- 拡散されている暴行・いじめ動画そのものは使用していない
- 被害者・加害者の実名や個人情報は出さない
- 過度な煽りや扇動はしない
- 事実を整理し、社会問題として論点をまとめる
それでも収益化停止となったことから、YouTube側のAI判定が「内容の善悪」ではなく、形式やジャンルの偏りによって機械的に判断されている可能性が高いと考えられる。
「信頼できないコンテンツ」判定が厄介な理由
この収益化停止が厄介なのは、著作権侵害などと違い、
- どの動画が原因なのか明確に示されない
- どこを修正すれば良いのか分からない
- チャンネル全体の傾向で判断される
という特徴があることだ。
つまり、1本の動画を削除しただけでは改善しないケースが多い。
収益化停止を回避するための現実的な対策
では、この「BAN祭り」の中で、運用者はどう生き残るべきなのか。
現実的な対策は以下になる。
1. 「テンプレ量産」だと見られる構成を崩す
YouTubeのAIは、動画の内容よりも
- タイトルの傾向
- サムネの傾向
- 動画の構成
- 投稿頻度
といった外形的なパターンを重視している可能性がある。
そのため、同ジャンルを連続投稿しないことが重要になる。
例えば、
- 事件系 → 法律解説
- 社会問題 → 統計データ解説
- 告発系 → 制度の説明
というように、ジャンルを分散させるだけでも「量産型」判定を避けやすい。
2. 独自性(オリジナル価値)を明確にする
YouTubeが求めているのは「付加価値」だ。
付加価値とは以下のようなもの。
- 独自の経験談
- 独自の考察
- 具体的な対策案
- 法律・制度の引用
- 公的資料を基にした解説
ただニュースを要約するだけではなく、
「このチャンネルでしか見られない視点」
を明確に打ち出す必要がある。
3. センシティブなテーマを扱う場合は「教育目的」を明示する
いじめ・暴行・事件などのテーマは、社会的に重要であっても広告主が嫌うジャンルでもある。
そのため、
- 批判目的
- 防止目的
- 注意喚起目的
- 教育目的
であることを、動画内・概要欄・固定コメントで明示する方が安全だ。
4. サムネとタイトルの「煽り」を排除する
煽りサムネ・煽りタイトルは、クリック率を上げる一方で
- 扇動
- センセーショナル
- 炎上狙い
と判定されやすい。
特に「未成年」「暴行」「晒し」「実名」などの単語が並ぶと、アルゴリズム上リスクが上がる可能性がある。
5. Shorts連打はリスクになる可能性がある
Shortsで同じ型を連続投稿すると、AI側から
- 自動生成
- 量産
- 反復
と見なされるリスクがある。
Shortsで伸びた後に収益化停止になった報告が多いことからも、Shortsの運用は慎重に行うべきだ。
再審査(異議申し立て)は通るのか?
結論として、通る場合もある。
ただし、YouTubeの審査は
- AI判定
- 人間審査
が混在しており、運の要素が強い。
特に「信頼できないコンテンツ」の場合は、
- チャンネル全体の構造
- 動画の傾向
- 直近の投稿内容
が総合的に見られる可能性が高い。
そのため、異議申し立てを出すだけでなく、
- 問題になりそうな動画の限定公開
- 概要欄の改善
- タイトルの修正
などを行い、チャンネル全体の印象を変えることが重要となる。
まとめ:YouTubeの収益化停止は「正しさ」ではなく「構造」で決まる
YouTubeの「信頼できないコンテンツ」判定は、
- 違法だから止まる
- 暴力的だから止まる
という単純な話ではない。
むしろ、
- テンプレ構成が続いている
- 量産型に見える
- SNSやニュース依存に見える
こうした「外形的な特徴」で機械的に停止される可能性がある。
そしてこの停止は、直近数カ月で急増している。
つまり、今後YouTubeを続けるなら
- オリジナル価値を明確にする
- ジャンルを分散する
- 教育・解説の体裁を強化する
この方向へ進むことが、生存戦略として必須になっていくだろう。
今後の注目点
今後もYouTubeが広告主保護を強める限り、
「収益化停止祭り」は続く可能性が高い。
特に、伸びやすいジャンル(時事・事件・炎上・告発系)ほど、
伸びた瞬間に精査され、突然停止される
という現象が起きやすい。
再審査の結果次第ではあるが、運用者は今まで以上に
「内容」だけでなく「構造」
を意識したチャンネル設計を行う必要がある。
(※この記事は、Xやウェブ上で散見される収益化停止事例、および海外コミュニティでの報告を基に整理したものであり、YouTube公式が個別事例を公開しているわけではありません。)